子供なんてほしくなかった

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はる（ 8j4OCd ）
15/03/24 01:57(最終更新日時)

初めて投稿します。

子供がいらない私と子供がほしい夫。
入籍するまでは嫌われたくない一心で話を合わせていました。子供が嫌いというわけではなく、おそらく私は母親というものになりたくないのです。
入籍した後に「子供はほしくない。母親なんかになれない」と夫に打ち明けました。
夫は「今は無理かもしれないけど安心して出産や育児をできる環境を作るから、そんな悲しい事は言わないで」と言ってくれました。

そして二年の月日が経ち、妊娠が発覚しました。
夫は泣いて喜びました。私も嬉しいと感じていました。夫が私の手を握って「こんなに嬉しい事はないよ。正直言って二年前のあの言葉には騙されたって気持ちがなかったわけじゃない。でも君はこうしてお母さんになる決心をしてくれた。本当にありがとう」と泣いていました。

夫は自分が私に対して本当に安心できる環境を与えたつもりなのでしょう。外から見ればそうかもしれません。絵に書いたような幸せな家庭に見えるのでしょう。

でも、私は最悪な事ばかり考えるのです。
口に出したら批判されることでしょう。人でなしと言われてしまうかもしれません。
それでもお腹の子供に死んでほしいと願ってしまうのです。私がほしかったのは夫だけです。
でも嫌われたくなかった。夫にだけは嫌われたくない。

もうすぐ予定日です。私は毎日叫びだしそうな自分を抑えて、夫が望む妻を演じます。大きくなったお腹を喜色満面の笑顔でなで、夫の描く未来予想図に子供のように賛同し、お腹に向かって「愛してるよ」と嘘を吐き続けます。

言ってしまいたい。いらないのだと。
子供なんてほしくはなかったのだと。
私がほしかったのはあなただけなのだと。

でもこんな事言ってしまえば私たち夫婦はおしまいです。夫には嫌われたくない。傷ついてほしくない。だから言わない。幸せそうに笑いながら夫のために子育てという服役生活を送ります。

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