今の時代だと無理でしょう。

大勢のスタッフの前で、本番行為ができますか？

「今の時代」というのは、昭和の時代の創成期のＡＶやポルノ映画では、男優/女優共々前貼りを着用していました。

14インチという、今ではおよそ考えられない小さなブラウン管画面上でさえも１cm四方は下らない巨大なブロックのモザイクは、性器や陰毛をを覆い隠す為のものではありません。

ガーゼと絆創膏で作られたブザマな前貼りと、実際には挿入していない事実を覆い隠す為のものでした。

その前貼りも巨大で、陰毛の生え際から肛門までをも完全にすっぽりと覆い隠すものでした。

陰毛を剃って着用することを前提に作られている現在の市販のマイクロビキニの方が面積が小さく、露出度が高いかもしれません。

男優に求められるのは、前貼り１つの全裸の女優を目の当たりにし、素肌を撫で回して乳房を揉みつつも、決して勃起しない忍耐力に加え、あたかも性行為をしているかの如く見せかける卓越した演技力でした。

あくまでも演技に徹することなのです。

全裸の女優の乳房を揉んでいるうちに勃起した挙げ句、前貼りを押さえている絆創膏を押し剥がしてしまうなどというのは言語道断！

プロにあるまじき愚行として相手女優はもとより、現場スタッフ一同からも総ひんしゅくを買ったそうです。

こういう時代でしたら実際には性交経験がなくとも、卓越した演技力さえあれば通用したかもしれません。

今や時代は一転して、ＡＶは本番が当たり前になりました。

今、ＡＶ男優に求められるものは、人前で勃起ができ、本番ができることです。

昭和の時代とは同業でありながらにして、正反対のことが求められるようになったのです。

性交経験のない男性には無理でしょう。

ただし、女性向けＡＶというのもあります。

男性向けとは異なり、挿入部分に申し訳のような小さなモザイクをかけるのではなく、巧みなカメラアングルで性器や挿入部分は一切映さないようになっています。

こうした現場では、今でも前貼りを使っているかもしれませんし、少なくとも本番行為はやらないでしょう。

これなら卓越した演技力さえあれば、性交経験がなくともできるかもしれません。

ただし女性向けＡＶの男優は、イケメンでなければなりません。