躾のつもりでした

どうして虐待が連鎖するのかというと「私もされたから、これが躾だ」と思ってしまうからなんだ

ほとんどの人は「私は立派に育った」と思ってる
それゆえ「私の経験は正しい」と自負してしまう

人間は他人の経験を非常識とし、自分の経験だけが常識だと思い込む生き物なので「これが常識でしよ！」と言うように、人の数だけの常識があるんだよ
常識という定義ほど曖昧なものはない


虐待を防ぐ方法として育児に悩む母親(特に虐待の経験を持つお母さん同士)が、お互いの育児法を意見交換することで「自分の常識」を第三者の目を通して、正しいのか間違っているのかを把握するものがある
本来なら姑がその役割を成すはずなんだけど、格家族化によって母親の独壇場になってしまった

自由ではあるが、その反面全ての責任が母親一人にのし掛かるようになった
始めのうちはいいものの手探りな育児の中で、責任の重さを痛感するようになり可愛い時は可愛がり、憎たらしい時には体罰を与えるような気分による躾を行ってしまうこともある
躾とは親の都合という意味なんだ

そのようにストレスから「私の常識を思うがまま」に行ってしまうよう

そうなると上限はなくなる
本人にも歯止めが掛からなくなりエスカレートするばかり
周りの人達も他人がゆえに介入できなくなった
だから最悪な状況に至るまで発覚しないんだ
そんな事件はそうして起きる



「私の躾は虐待ですか？」
この一言を発せられる場は必要不可欠なんだよね
井戸端会議で言えたらいいんだけど、今の時代そんな場所で公表すると母親失格の烙印を押されるだけ

「善悪も分からない奴は悪だ！」と裁判に掛けられ罪人とされてしまう
そんな世の中なので気軽に相談も出来ない

どれだけお母さんが不安感を抱いてるのか
「これは虐待ですか？」
この一言を放てる場ひとつで解放される場合があるんだよね
だから無知を恥じるなかれ、それが無知の知である
「私は知らないということを知っていいます」
本来なら無知を許せる世の中が必要なんだ

まず大前提で言うなら、人は間違う生き物なので「失敗を悪」と決め付ける必要がないということ

これはお母さんに言ってるんだろうか？
それとも子供に言ってるんだろうか？

人間に言ってるんだよ
「悪」なんてない
「間違い」しかないんだ
しかも全てが「許されてる」

許すことを大前提として子供に接するといいよ
それが「無条件の愛情」だから