【交通事故】〇人身事故のデメリット①人身事故を前提とした加害者の刑事処分がある②…

【交通事故】

〇人身事故のデメリット

①人身事故を前提とした加害者の刑事処分がある

②人身事故を前提とした加害者の行政処分がある

③実況見分調書などの作成のため何度も警察に行く必要がある

〇人身事故と物件事故

人身事故と物件事故とは警察における交通事故の扱いのこと。

人身事故は怪我のある事故、物件事故は怪我のない事故である。

実況見分調書は交通事故の現場で警察官が事故の当事者や参考人の立会いのもとで現場の状況や事故の発生状況の調査を行い、その調査結果をまとめた書類のこと。

実況見分調書があると事故状況を正確に把握できる。

〇加害者が負う３つの責任

交通事故の加害者が負う法的責任には、「民事責任」「刑事責任」「行政責任」の３つ。これらの責任は、加害者のその後の生活に大きな影響を与える。

①民事責任

被害者が交通事故で負った怪我を治すために受けた治療の費用や病院へ通院するための交通費、怪我の影響で仕事を休まざるをえない場合に発生する休業損害、病院に入通院しなければならなくなったことの精神的苦痛に対して支払われる慰謝料などを賠償する必要がある。

②刑事責任

刑事責任は交通事故を起こした加害者が、様々な刑罰に処せられること。

人身事故の場合、自動車運転死傷行為処罰法上の過失運転致死傷罪（同法第5条）が適用され、悪質・危険な運転により人を死傷させた場合、危険運転致死傷罪（同法第2条）が適用される。

・過失運転致死傷罪の場合、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金に処せられる。

・危険運転致死傷罪の場合で、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合には、1年以上の有期懲役となる。

・人身事故を起こし、被害者を救護しなかった場合（救護義務違反）は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金（道路交通法第117条）を科せられる。交通事故の発生を警察に報告をしなかった場合（報告義務違反）は3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられる。

・上記の罪に該当する行為を行った者が無免許運転であった場合、該当する罪に応じて刑期が加重される（自動車運転死傷行為処罰法第6条）。

・人身事故を起こした加害者が被害者を死亡させるまたは怪我を負わせることを意図して行った場合は刑法上の殺人罪（刑法第199条）や傷害罪（刑法第204条）が適用される。殺人罪の場合、死刑または無期もしくは5年以上の懲役、傷害罪の場合は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。

③行政責任

違反点数の累積、反則金の納付、免許停止（免停）や免許取り消し（免取）などの処分を指す。

〇家庭崩壊

・人身事故を起こし交通事故の加害者になったことで家庭崩壊に陥ることがある。

・パートナーがひどい人身事故を起こし、人を死なせてしまったことを受け入れることができなかったり、精神的に不安定になってしまい家庭が崩壊する。

・家族を巻き込みたくないと考え離婚を選択する場合もある。

・自責の念から加害者本人の精神が不安定になり配偶者だけでなく親子や兄弟の関係が悪化し家庭崩壊に陥ることもある。

・人身事故を起こしたことで、職を失い家庭崩壊に陥る。

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