「投票したい候補がいない」、よくわかるよ。「誰に入れても一緒だと思う」、うんうん…

「投票したい候補がいない」、よくわかるよ。「誰に入れても一緒だと思う」、うんうん、そうだよな、さんざん期待してきてさんざん裏切られてきたもんな。でも近代民主主義社会というのは「そこから」が勝負なんよ。この社会は「自由で自立した個人」が基盤となっていて、合意した覚えがなくても、納得していなくても、全員が「自由で自立した個人」にカウントされているわけです。

「自由で自立した個人」は、与えられた選択肢に最適なものがなくても、納得していなくても、全員が「自由で自立した個人」にカウントされているわけです。

「自由で自立した個人」は、与えられた選択肢に最適なものがなくても、むしろそんな「最適」はどこにもないからこそ、相反する利益と不利益を折衝し続けて、身をよじって苦悩し葛藤しながら、自由と自立とこの社会全体のために、自ら「よりマシ」な道を選び取り続ける存在だったりします。すくなくともそういう存在を前提として、近代民主主義社会は組み立てられています。

だからこそ、面倒くさくても、とても信用できないメンツばかりでも、その中で「誰がよりマシか」を調べて、くよくよしながら期待して、選挙のあとも目を光らせ続ける「政治的存在」の一端になることこそが、多大なコストを費やして選挙を実施する意味だったりします。

そういう意味では、「投票先があらかじめ決まっている人」よりも、「誰に入れるか決められない」と悩んでいる人のほうがずっと、選挙の意義を味わえているとも言えるでしょう

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