身体的には女です。 でも女の格好も男の格好もしたくありません。 私は親に…

身体的には女です。
でも女の格好も男の格好もしたくありません。

私は親に可愛いとか綺麗とか言われたことはありません。成人式の振袖を着た時ですら褒め言葉はありませんでした。

親戚も従姉妹は可愛いやら綺麗やら褒めて、私には褒め言葉は無いし、高校生の時も友達ばかり周りに褒められて私の存在に触れられたことはありませんでした。だれもお世辞でも褒めてくれることはなく、むしろ苦笑いされたり、気を使われたりするような容姿です。

だから女らしい格好をやめて、男らしい格好をしようと決めました。もしかしたら私には可愛いや綺麗を目指すよりもかっこいいを目指した方が良いのかもしれないと思ったからです。

でも生まれながらにして女なせいで、男装をしても男の服を着た女にしかなりません。なので男装に慣れている人にアドバイスを貰いに行こうと思いました。その行先は男装コンカフェです。そこで色々なアドバイスをもらい、楽しい時間を過ごさせてもらいました。
それを親に言ったら｢ホストと何ら変わらない。ハマっては遅い。もう二度と行くな。｣と言われました。もちろん私がそのお店に行った理由は伝えました。でも親は｢楽しいと思ったということは、ハマるのと同義｣｢わざわざ店に行かないでネットに頼ればいい｣と激しく怒鳴られました。私は今まで親に反抗したことはありません。｢ただ素直に感想を言っただけ｣｢ネットの情報だけで人が成長出来ると思うなら、自分たちもそうしたらいい｣と初めて自分の意見を言って反抗しました。でも怒鳴られ、ねじ伏せられ、私の気持ちや背景を知ろうとせず、私が泣いて終わりました。

男装は私の生きる理由であり、目標でした。男装を楽しみにしていた時は、面倒だと思うことにも前向きに取り組めました。でも今は、男物の服を見ると親に怒鳴られたことを思い出すせいで男装することができません。

母には｢可愛いと言われたことがないのが辛かったから男装にこだわっている｣と話しました。そしたら母に｢確かに1度も褒めたことは無いが、心の中では思っていた。またスカートを着て欲しい｣と言われ、翌日洋服屋に連れていかれました。しかしレディースコーナーを見ると｢私が着飾っても豚に真珠｣だと思い、メンズコーナーを見ると怒鳴られたことを思い出し、どちらも居心地が悪く、何も欲しいとは思えませんでした。
しかしまた両親に｢いい加減機嫌を直せ｣などと言われたく無かったので、親が勧める服を全て買いました。

その日以降、私は女特有の身体的特徴も身につけるものも、男装に使っていた服や道具も、更にはおしゃれのために綺麗にしていた爪や髪も全ていらないと思うようになりました。
無性になりたい、おしゃれをやめたいと思ったのです。

親に意見を言うこともやめました。
言っても私が折れるまで言い返してくるからです。

その日から私は何にも気持ちが動かされることはなく、ひたすら寝て過ごすようになっています。

無表情で過ごす私を両親はきっと｢怒られ慣れていないから酷く落ち込んでいるのだろう｣と思っていると思います。

でも私は生きる理由や目標を失って、原動力のない人になっているに過ぎません。

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