影の車(1970年/松竹)という映画を見た。 出演は岩下志麻、加藤剛、小川真由…
影の車(1970年/松竹)という映画を見た。
出演は岩下志麻、加藤剛、小川真由美。
何か独特の雰囲気(というより不気味な感じ?)がする映画だった。
岩下志麻は幼い男の子と二人暮らしのシングルマザーの役で、映画の中では仲睦まじい親子という設定なのだが、実際の撮影では岩下が色々と気遣っても子役の子が岩下に懐かず、ある時それに腹を立てた岩下が子役に向かって「可愛くない子ねぇ」と皮肉を発すると、子供は突然「お腹が痛い!」と苦しみだし、急遽、病院に運ばれ撮影が中止となった。後に岩下は「おそらく私の言葉に心因的なショックを受けた事が腹痛となって現れたのだと思う」と苦い思いを振り返っている。
演技を見ていて子役の子が岩下に懐いていないのは何となく伝わってきた。岩下扮する母親は加藤剛扮する男(サラリーマン)と不倫の仲になり、男は女の子供と仲良くなろうと試みるも子供は懐いてくれない。それどころか男を敵視しているような節すらある。それは幼少期の男そのものだった。男もまた、幼い頃に母が父以外の男と愛し合う姿を目撃していたのである。そんな事から男は少年の目が怖くなり、そして疎ましいと思うようになる…
子役が印象的だった。独特の雰囲気を持った子で、子供らしいはつらつとした笑顔、表情がなく、淡々としていて、何を考えているのかよく分からない感じの子役だった。映画の中で母親役の岩下は息子に優しく問いかけ、微笑むのだが、実は懐かない子役にイライラしながら撮影していた事を思うとおかしくなる。
実際の母親は我が子に(特に男児に対しては)こんなに優しくない。すぐに怒るし機嫌が悪く子を貶すので、岩下扮する母親は理想の母親像でもあった。
岩下志麻と小川真由美は鬼畜(松竹/1978年)でも共演しており、本作では小川真由美が妻役で、岩下志麻が浮気相手役たが、鬼畜では岩下志麻が妻役で小川真由美が妾役と逆になっているのも面白い。小川真由美は独特の美しさがあり妖艶だった。
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