愛する彼が…

自分も散々悩みましたし、今でも悩みます。
でも、もうここには彼女は帰ってこないんだなって思うと、じゃぁ自分はこの部屋でのこれからの生活を、一人で耐えながら出来るのかと思いました。
でも多分出来ないなと。
これからクリスマスイヴ、クリスマス、大晦日、お正月、僕の誕生日もあります。
これまでは、いつも彼女が笑顔でお祝いしてくれましたけど、もうそれは無い…もし、その時期を一人でこの部屋で過ごす事になったら……そう考えると失神しそうな程に怖くなったんです。
思い出の沢山詰まったこの部屋、そして視界に入るあらゆる物、そこにはその時のエピソードが刻まれていて、それを見るだけで、まるで8mのフィルムでも見ているように、その時の光景が甦ります。部屋だけじゃなく、外に出ても思い出は沢山刻まれていて、二人で仲良く歩いてる姿が見えます。
散歩した道、一緒に行った商店街、二人の夜の楽しみだったコンビニ、何処へ行っても胸を締め付けられます。
そこを離れるのは、我が身を切り裂かれるような思いです、でも、そうしないと、自分は未来には進めないし、きっと過去の記憶に押し潰されてしまうだろうなと思ったんです。
だから、心から願う事ではありませんが、この部屋を、この街を出て行く事にしたんです。