あなたの経験や知っている怖い話を教えて下さい。

父から聞いた話です。
若い頃、父は弟さんと一緒にツーリングを楽しんでいました。いろんな道を走り回っていたそうです。

踏切に差し掛かったとき、いきなりバイクが止まりました。さっきまで元気に走っていたのにエンジンが掛かりません。「どこか壊れたかな？」ふたりはバイクを降りて確かめます。

その瞬間、目の前を電車が通り過ぎました。カンカンカン……という警報音もしていなければ、遮断器すら降りていませんでした。

電車が通り過ぎたあと、バイクは何事も無かったかのように、再びエンジンが掛かりました。

「もしもバイクが止まっていなければ、ふたりとも電車に轢かれた。見えない誰かに助けてもらった」

父が亡くなっていたら、わたしも産まれていません。わたしにとっても、見えない誰かは命の恩人です。