34年前でしたが、私と同い年の友人は職場の同僚から裏ビデオの上映会に誘われました。

上映会と言っても同僚の自宅に、仲間内を呼び集めるだけのことです。

友人は上映会終了後、ビデオテープをダビングしてもらうつもりでした。

しかしいざ裏ビデオを観て、あまりの汚らしさに愕然となって心もチ〇ポもうなだれて下を向いてしまい、ダビングは断ったそうです。

以来彼は、裏ビデオには一切興味を示しませんでした。

因みに当時、合法的に市販されていたＡＶは、14インチ(現在の19インチと画面縦寸法はほぼ同じ)画面上でおよそ３cm四方はある巨大なモザイクがかけられていました。

このモザイクは、性器や結合部分を覆い隠すためのものではありません。

出演者は男女共に、陰毛の生え際から肛門までをもスッポリと覆い隠す巨大な前張りを装着していました。

その前張りたるやガーゼと絆創膏でできた、まるで負傷箇所を覆うような無様な代物で、巨大なモザイクはそれを覆い隠すものでした。

勿論、本番などできるはずはありません。

当時のＡＶ男優に求められたものは、前張りひとつの裸の女優を目の当たりにして素肌を撫で回して乳房を揉んでも、決して勃起しない精神的耐性でした。

性行為はあくまでも真似事で、演技に徹することです。

裸の女優を前に本気で欲情した挙げ句、勃起して前張りを押し剥がしてしまうなど言語道断！

プロにあるまじき愚行として相手女優はもとより、スタッフ一同からも総スカンを食らったそうです。

これとは真逆に大勢のスタッフの前で勃起して、本番ができることが求められる現在とは隔世の感があります。

そんな時代にあって友人は、こうしたマイルドなＡＶや週刊誌のグラビアなどをオカズにしていたのでしょう。

彼にとって裏ビデオは、あまりにも生々し過ぎたのです。

現在のＡＶは当時の裏ビデオに、ほんの申し訳程度の細かいモザイクをうっすらとかけたようなものです。

毒々しく生々しいＡＶよりも、グラビアアイドルの水着の動画の方が良いという人がいても、不思議には思いません。