空を見上げてごらん、あの無数の星星の中からパパはやってきたんだよ。 パパはね、…

空を見上げてごらん、あの無数の星星の中からパパはやってきたんだよ。
パパはね、疲れちまった。あのお星さんになるんだ。娘よ。人間らしく気高く生きるんだよ。娘よ、おまえには、すべてもらった。同時にすべても与えた。娘よ、お前はまだ知らないだろうけどな、パパはスーパーマンなんだ。スーパーマンは１秒で地球を23週出来るんだ。はっはっは、は？
嘘やと？？じゃかしいわあ。
加奈子よ、パパは遠い昔、太古の海にて生まれし原子地球の、あの輝かしい栄光をみたのだ。
パパはな、ずっと人類を見守ってきたんだ。果てしない歳月を、粒子とともに生きてきたのだ。お前はずっとママのことを知りたがってたろう。

そう言われるたびに、お前の母親は広瀬すずだとかヒラリー・クリントンだとか誤魔化してきたけど、ありゃ嘘だ。なあ加奈子、嘘をついたパパは閻魔大王様に舌を抜かれるのかぁ。なぁ加奈子。パパ怖い。お星様になるのが怖い。ぴえん。

お前の本当の母親はだな加奈子、かぐや姫なんだ。名をば、竹子となんむいいける。　

竹子はな、パパのお嫁さんの235人目なんだ。その竹子はもういない。あろうことか竹子は実は男だったから、パパが月に島流しにしたのだ。パパはな、何年もの間、女だと偽られて男を抱いていたのだよ。ああ加奈子。可哀想な加奈子よ。不憫な子よ。お前の兄弟は2156人いて、それぞれ火星や水星といったように、パパが銀河の彼方に追放してしまったのだ。だから今度はパパがそうなるのだ。
加奈子よ。パパはお前を愛していた。愛は赦す。愛には時間も空間もない。愛は永遠なのだ。加奈子、創世記は今も続いているんだ。パパは天地創造より隠されていたことを例えを用いて話す。
加奈子、同僚にフルボッコにいじめられるひ弱なスーパーマンを許しておくれ。パパは……パパはな…馬鹿なんだ。

加奈子、もうお別れの時だ。加奈子。加奈子よぉ、時間は残酷だなぁ、ああ加奈子。泣くんじゃないコラ。え？なんで頬を殴るのかだって？いつでも24時間笑顔でいろといっただろ。お前あれだからな。一秒でも口角たらしたら電気ショックだからな。そうなるよう、加奈子、お前に呪いをかけておいた。
加奈子、ごめん。もうパパ行くよ。元気でな、世界一情けないスーパーマンを許しておくれ。さようなら。加奈子。

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