私は職場の後輩にイラついていた。何故だか後輩は私より皆に可愛がられる。 み…

私は職場の後輩にイラついていた。何故だか後輩は私より皆に可愛がられる。

みんな私には厳しく意地が悪いのに、どうして後輩には楽しく和気藹々と接するのか。
私はそれが癪だった。

私は後輩にきつく当るようになった。意地の悪い事を言ったりもした。
しかし、後輩は鈍感で無神経な女なので、あまり気にしていないようだった。

私は遠回しに、「私は皆に厳しくされるのに、お前は優しくチヤホヤされて、私は差別されている」と後輩に言ったりもした。しかし後輩は、「もしそうなら、私は戦力として扱われていないという事でしょう。だから優しくされるのだと思います。先輩が厳しくされるのは、期待され、頼りにされているからでは？」と言い返してきたのだ。

そんなわけがない。
私が厳しくされるのは、期待されているからでも、頼りにされているからでもなく、容姿が良くないからだ。そして後輩は若く顔が美しいから優しくされているのだ。

なのに戦力云々などとよくも言えるものだ。
私は後輩が憎かった。無性に腹が立っていた。

皆に可愛がられ、和気藹々と話している後輩の様子を私は隅っこで見ている。
完全に後輩を中心に盛り上がっている。その光景を恨めしく見ている私は惨めだった。

どうして後から入ってきた後輩が主役で、古株の私が端っこに追いやられるのか。
私の僻み、嫉みは膨らむばかりだった。

けれど、事態が好転する事はなく、私は完全に疎外されてしまった。
先輩として立つ瀬が無かった。
後輩のせいだ。この女のせいで私の立場は無くなってしまったのだ。

それなのに、私の気持ちも知らないで、のうのうとしている後輩が許せなかった。
私は何とかして後輩を引きずり下ろしたかったが、どうする事もできなかった。

後輩は上司、先輩ら権力者に可愛がられているのである。
全く男はバカだ。バック（男）が付いている後輩と誰も居ない私。
勝ち目はない。どんなに悔しくても我慢する他無いのだ。

体調が優れない。最近では血便が出るようにまでなってしまった。
ストレスからか頻繁に腹痛を起こしている。

帰宅しても母に八つ当たりしてしまう。
母に罪はない。それはよく分かっている。
しかしどうしても抑えられないのだ。

母は泣きながら、「やめて･･･！」と叫ぶ。
身体は疲れているのにベッドに入っても眠れない。
職場での事を思い出しては怒りが込み上げ、ますます目が冴える。

朝方まで怒りにもがき苦しみながら、結局1～2時間しか眠れず、寝不足でまた出勤するという悪循環。
後輩をえこひいきする男たちが許せない。

後輩が憎い･･･

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