カーナビと夢 一体何の夢なのか分かりません。 ですがとても怖くて何だか切…

カーナビと夢

一体何の夢なのか分かりません。
ですがとても怖くて何だか切ないものでした。

私が片親だった母親を亡くして2年ほど経った時の話しです。
私は結婚が決まっていた彼女の実家に向かっていました。

いつも車で走り慣れた田舎道です。
ポツンとあるコンビニを通り過ぎ、塗装屋さんの角を曲がり…。
「あと15分くらいかな…。」
夕暮れ時の空いた道を走っていました。

すると急に、
「ここを、、、左です」

操作していないカーナビが喋りました。
「え…？何か間違って押したかな…。」
その時はあまり気には止めませんでした。

更に進むと、また
「ここを、、、左です」

「なんだ？どこに案内している？」
私は過去にセットしたナビが勝手に起動したものだと思い、リセットする為に車を停車しました。

ですがナビは起動していない…。
「おかしいな？工事渋滞の回避案内でもない…。」
一応ナビを一通り操作して、もう案内が掛からない事を確認しました。

また走り出す私。
そしてまた…。

「ここを、、、左です」

気持ち悪い…。
流石に私は怖くなりました。
なるべく考えない様にして、無視して走り続けました。

「ここを、、、左です」

私「いや、左って…！道が無いだろ！さっきから！！」
今度は怖さから一転、急に腹が立ちました。
さっきから左、左と言ってるのに、道が無い場所ばかりです。

私はナビが故障したと思い、怖さは消えて腹立たしさを覚えました。
「もうナビは気にしない！」
そうして走り続けました。


「ここを、、、左です」

「ここを、、、左です」

「左です、左です、左です、左です、左です」


身体が固まりました。
ゾワッとして、これは普通じゃない！何かが違う…。


"左に曲がるとヤバい…。"


それだけは分かりました。

怖さで停車する事も出来ず、早く彼女の実家に着きたい、そう思ってナビを無視して車を飛ばしました。
息苦しい、視界が狭くなっている、怖い。

そしてまたナビ、


「ここを、、、左です」


あ…、左にしか曲がれない道だ…。


私は慌てて速度を落としました。
これはヤバい…！
左にしか道が無い！
ヤバい！道が無い！どうする！？




「真っ直ぐでええんよ…。」


「ああ、オカン(母親)、ここ真っ直ぐ抜けられんの？」

助手席に座っている母親が私に話し掛けて来ました。
この時の私は気付いていない。
母親はもう亡くなっている事に…。


私は視線を目の前の道に戻しました。
道は真っ直ぐしかない。
左には曲がれない道です。

そこを真っ直ぐ通り過ぎると、いつも知っている明るい道に出ました。



ここで夢から覚めました。

起きると全身が汗びっしょりでした。
「なんだ…？この夢は…。やたらとリアルな感じだった。オカンの声もハッキリ覚えている…。」

とても怖くて不思議な夢でありましたが、亡くなってから久しく聞いていない母親の声を聞いて、私は何故か心が暖かくなりました。


とても長くなってしまいましたが、こういう夢は精神的にどういう意味があるのでしょうか。

単なる私が寂しく思っていただけなのか、
それとも何かの予兆なのか？

数ヶ月経過しても心に残ったままです。

• 共感！0

• ウォッチリストに追加