長くなりますが、聞いてください。愚痴と言うより、夏の恐怖体験です。 我が家には…

長くなりますが、聞いてください。愚痴と言うより、夏の恐怖体験です。
我が家には妖怪がいます。

その妖怪は暑い夏の日の朝突然現れました。妻（当時は彼女）と同居を始めてから、何日か経った後だったと記憶しています。
私が朝気持ちよく微睡んでいると…
突然の出来事でした、

「ズヴォヴォヴォヴォッ！ズヴォッ！ヴォヴォヴォヴォ！」

と家中に轟音が響き渡りました。
なんだ、これは！？災害か！？と隣にいる妻を起こそうとしたら、妻の姿が見当たりません。
窓の外を確認すると、災害等は怒っている気配はありません。

ですが、その音はまだ家の中から聞こえてきます。

ははーん、なるほど。
あいつ（妻）、間違って掃除機で何か吸い込んだな〜？
どれどれと妻の様子を見に行くと…





「ズヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォッ！」

そこには豪快に納豆をすする妻の姿がありました…
まぎれもない愛する妻（彼女）が轟音をたて、納豆をすすっているのです。

これは俺の妻か？いやいや、妻の姿をしたダイソンではないのか？私は気が動転し、ただただその光景を見つめることしかできませんでした。
よく聞く話で、人間は極度の恐怖状態に陥ると身体が動かなくなるといいますが、まさにその状態であったと思います。
あれは、私のよく知る妻の姿ではありませんでした。人間ではありません。
納豆の妖怪が取り憑いついたのだと思いました。

その後のことはよく覚えていません。妖怪の妖力なのか
気がついたら籍を入れ、正式に夫婦となり、新しい家を建てさせられていました。ローン35年です。



あれから数年経ちましたが、納豆の妖怪はまだ私達家族にとり憑いているようです。
決まって出てくるのは朝。必ず妻に取り憑いています。私は一度も取り憑かれたことはありません。納豆を食べ終えると、満足するのか、妻から離れていくようです。




ありがたいことに子宝にも恵まれました。女の子です。
今の一番の心配は、納豆の妖怪がこの子にも取り憑いてしまうのではと、とても不安です。


子供はまだ小さいので、わからないと思います。
ですが、物心着いたときには、きちんとお話してあげたいと思います。
我が家に棲む、納豆の妖怪のことを………






ズヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォ…

• 共感！0

• ウォッチリストに追加