超能力者である私は酷く心を痛めて、この戦争を終結させることを誓った。そし…

回答11 + お礼2 HIT数 408 あ+ あ-

誰にも言えないさん
2023/10/11 22:07(更新日時)

超能力者である私は酷く心を痛めて、この戦争を終結させることを誓った。

そして私は瞬間移動をして、イスラエルの上空にきた。

「この馬鹿げた争いを止めよ」

ガザ地区に雷鳴が轟いた。ガザ地区にいる全ての人々と、そこを包囲するイスラエル軍は私を見た。真紅に燃える真っ赤な目をした、平和を踏みにじる獣への怒りで燃えたぎる私の姿を。

イスラム教徒にはアラビア語でアラーの名を名乗り、ユダヤ教徒にはヘブライ語でヤハウェの名を名乗り、全ての人々の脳内に直接話しかけた。

「イスラム教徒よ、よく聞け。平和を愛する抵抗しない人々を殺すなら、私を敵にまわすことになると知れ。あなたが誰かを殺すなら、私の名の元に全宇宙はあなたに敵対するであろう。無論、お前たちに勝ち目はない。アラーの福音もない。あるのな破滅のみである。」

「ユダヤ教徒よ、よく聞け。お前たちがメシアを受け入れず、汝の敵を愛せという私の尊い掟を守らず、私の名の元に人を殺すなら、お前たちには大きな裁きがある。
平和を壊すものは私の最大の敵だからである。地獄に落ちれば、ウジが尽きることもない。」

「今すぐこの馬鹿げた戦争を止めよ。」

雷鳴と共に、全ての人々の脳内に私の言葉が響いた。そして人々は見た。遥か上空で、真紅に燃えて光輝く私の姿を。

多くの人々は跪いた。私の忠告に耳をかさず戦闘を継続しようとした者は、他人に殺意を向けた途端に死んだ。誰かに抱いた殺意が、自分を殺したのである。

私は嘆いて呟いた。

「人の子よ、目を覚ませ。お前たちの心は暗黒に覆われている。お前たちはいつまで妄信をして、空しい人間の言葉を神の言葉として語るのか。あなたの心の中の良心に従いなさい。愛のない言葉にどうして神が宿っておられようか。私は言っておいたではないか、神は愛だと。」

こうしてガザ地区には平和が訪れた。僅かな間の、不安定な平和が。

その様を見て私は次に、ウクライナに瞬間移動をした。

今も惨状にいて嘆き悲しむ人々への憂いと、並々ならぬ平和への想いを胸にして。