悩みというわけではないのですが、すっかり忘れていた昔の事を今ふと思い出したので書…

悩みというわけではないのですが、すっかり忘れていた昔の事を今ふと思い出したので書かせて下さい。
父の事です。うちの家庭は、私が13歳の時に離婚して解散となりました。
小学校低学年頃までは仲がよく、とても自慢の家族でした。
しかし、もともと温和で寡黙で優しかった父が鬱病になってから、続々と家族全員が鬱病になりました。
毎日救急車やパトカーが来たり、怒鳴り合いや泣きわめく声、話しかけても返事がなく振り向かない両親、まだ部屋にいても電気を消していき空気のように。家族はまるで変わってしまいました。
実のところ、他人事のようには話せますがその期間があまり鮮明に思い出せません。
私は何とか家族を繋ぎ止めようと頑張りました、「お父さんがお母さんのこと大好きだって！」とか「お姉ちゃんがこの家に生まれてよかったって！」とか…バレバレの嘘をつきました。
けれど、いつだったか終わり頃に離婚の多数決があり父と私以外の皆が手を挙げ
この瞬間に離婚が決まった事を悟った私は泣き崩れてしまいました。
父も私に覆い被さるように私を抱いて泣いていました。
それからすぐ母は、父は家族を殺すつもりだと騒ぎながら夜中1日分の着替えと１枚の家族写真、近所のおばあちゃんに貰ったぬいぐるみだけを待って逃げるように家を出ました。
待ってくれ、と追ってきて呆然と立ち尽くす父の姿。
離婚後、私は見事にグレました。もしかしたら、私がグレたことでどこかでみんなが元に戻るんじゃないかと期待していたんだと思います。
暫くして、父と数ヶ月に一度会えることになりました。私だけでした。
一緒に映画に行ったりドライブをしたりしました。一度泊まって朝ごはんを作ってあげたりもしました。３回くらい会いました。
私は当時いわゆるヤンキーでしたが、父と会う時だけは普通の服を着て昔のように振舞いました。父は何も知らないと思っていました。
そこからすぐに、私は捕まり少年院に入りました。母から再婚を知らせるハガキが届いたのはそのすぐ後の事です。泣き崩れたのを覚えています。
そこから私は、仮退院後は父の元に通って沢山の恩返しをしよう。父が寂しくないように、沢山の思い出を作ろうと意気込んで少年院を出ました。
けれど、父はその1ヶ月前に亡くなっていました。糖尿病なのに、インスリン注射を打たなくなりお酒だけ飲むようになったそうです。骨と皮になり、最後は肺炎で亡くなったそうです。
当時は母と今の義父はもう一緒に住んでいて、義父に何故か申し訳ないと思い夜隠れて泣きました。
暫くして、父と住んでいた昔の家に行ってみた時です。夜中に鍵のかからない勝手口から入りました。
中はゴミ屋敷で、天井が抜けている部分もありました。父のいた部屋に行くと机の上に便箋が開かれていました。
「◯◯へ」
私の名前でした。私への手紙でした。
けれど◯◯への後は何も書いてなくて
何が話したかったのかは分かりませんが手紙を書こうとしていた事を知りました。
父は何も知らないと思っていたけど、父は少年院に入っているのも知ってたんだ。と思いました。
何を書こうとしたんだろう、どう思ってたんだろう。
長文すみません。折角思い出せたからもう忘れたくなくて。お付き合いありがとうございます。思い出せてよかった。
皆さんはふと忘れていた事を思い出すことありますか？思い出す意味があるのかなぁ？

• 共感！0

• ウォッチリストに追加