人生に疲れました。もう生きていても辛いだけです。でも、自殺する勇気もありません。 皆さん、アドバイスをください。皆さん助けてください。

僕は人生という言葉が嫌いです。

「人生」という言葉の中には、厳しさであるとか侘び寂びであるとかのいかにも人間的な水気を含んでいて重たい感じがします。


「ただ生きている」という言い方がホッとしますし、状態として一番言い得ている気がします。

ただ生きてるんです。

誰になんと言われようがただただ生きている。

野良猫の勝手気ままな仕草を見てるとよく分かります。

そこにはただ憮然と「生」があるだけで、あとの事は取るに足らないものです。

例えば、人間は酸素、水、食料、防寒具、の４つがあれば寿命を全うする事ができます。

問題は人間が後からそこに「金」「地位」「世間体」「仕事」「夢」「勉強」「計画」「法律」「愛情」「友情」「勇気」「覚悟」「容姿」「オシャレ」「優しさ」「感謝」「反省」「後悔」「SEX」「努力」「子孫繁栄」などなど、大脳の発達に伴い無闇やたらに要素を足しまくった事です。

これにより、「生」は複雑化し、路頭に迷う人がたくさん出てきてしまいました。

でもなかには「生」の本来の単純さに気づいている人もいます。

それは職を捨て、家族を捨て、世を捨て、高架下で猫然と暮らしている人達の事ではありません。

普通に働いて、家族を養って、一見順風に見える人達の中にこれに気づいている人がいます。
そういった人達は、けして諦めから人並みの生活に甘んじているワケではなく、余計な思考を頭から追い出す事で「生」の単純化を図っているのです。

会社から帰るなり寝床に直行してスーツ姿のまま３秒で夢の世界にダイブする人や、超多額の借金をじりじり返していくのがむしろ楽しくなってしまった人や、好きな人にフラれたその日にアイドルの握手会に行って慰めてもらう人などがこれに当たります。

生きるって、実は超単純なんですよね。