母が死んだら最愛の人が現れる？

逆に
「私は心の奥底までクリアで汚れた幻妄はいだきません。外的ストレスに脅かされても感情を完全にコントロールできます。」
という人がいたらお目にかかってみたいものです。


それから私は恋愛において傷ついたことがない、という人も同じくらいお目にかかりたい。身を焦がすほど人に思いを抱いてしまうともうそこからは地獄を下る道しか残されていないのです。

それは結ばれずとも結ばれたとしても同じことです。

問題はそういう災害みたいな恋愛が降り掛かってきた時にどう対処するかですが、これがフェルマーの最終定理の３兆倍難しい問題とされていて、２１世紀に渡る研究の間でまだ１ミクロンの成果もあげられていません。

一時、「恋愛は岩礁に乗り上げるイカダに似てる。」とそれらしい事を謳ったある漁師がおりましたが、本人はその時酔っ払っていて覚えておらず、真相は迷宮入りしました。


これだけ分からない恋愛ですが、一つ間違いなく言えることは恋愛に引き裂かれるような思いをしているのはけして主さんだけではないという事です。

だから何だと言われればそれまでですが、自分が言いたいのはもっとずっと俯瞰から見てほしいという事です。

高度１００万フィートから地上を見渡せば、そこには歌謡曲の中から飛び出したような完全無欠の愛はほとんどなく、心臓に空いた穴を押さえながら足をひきずり歩く人達が圧倒的に多いことに気がつきます。

自分はそういった一群の中の一つの点にしかすぎないのです。

そう考えると心なし、重りが一つとれた気になるのは自分だけでしょうか。