修学旅行の旅の宿

修学旅行か かなり 昔だかんな～

男ばっしで 悪さしてたな

タバコ吸って ドラッグしてたやつもいた

覗きをやってたやつもいた

俺は やってないよ

生徒会委員だったから

一応 真面目だよ 一応ね

京都 奈良だったよ

北海道か 京都 奈良を多数決で決めたんだが 俺は 北海道に一票

近差で京都 奈良になってしまった

旅館の２階で寝てたんだけど 夜泣きが来てく
みんなも 食いたいって

しかし もう外出禁止時間 しかも 部屋から出てもダメ

仕方無く 窓から 夜泣きの おっちゃんを 呼び止めてみた

『おっちゃん 食いたいけど 出れない どうしたら良い?』
『まってな』

いきなり ２階の窓めがけてロープが飛んでくる

キャッチすると
『このカゴにお金入れてくれ』
カゴを下ろすと
『にいちゃんは?』

『俺 しお』

『そっちは?』
『醤油』

『あいよ 塩と醤油な』

『おっちゃん 俺は みそ』

『ちょっと まて～や ２ツづつやで カゴに２ツしか入らへんからな 取り敢えず ２つな』

『上げてくれ』
食べ始めると 先生の スリッパの 音が近付いて来る

ラーメンを抱えて みんな 布団に 潜り込む

先生が 襖をあけて 生徒を数える

その間に 布団の中から

『ズズ～』

先生 『誰や～ はよ寝～』

薄目で見ると 窓の外を見てるようだ

ドキッ 緊張が走るよ

先生は防衛大学卒の柔道 ３段 普段は 物凄く 厳しく 恐い

俺の布団に 軽い蹴りを入れられたが

何事も無かったかの 様に 行ってしまった

おっちゃんを見たら タバコ吸ってた

おっちゃん『これも要るから?』

『ありがとう それは 有る 旨かったよ』

『お～きに 卒業したら またきい～』

『何時も ここに居るさかい』
あのおっちゃんもう 居ないだろうな 30年も前の事だからね
あれは 暗黙の了解で 生徒もあのおっちゃんを知ってるらしい

後日 卒業した 先輩に聞いて分かった

京都の時は 必ず おっちゃんが現れるようだ

学校側の演出だったのか? それは 謎のままだ