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女子A「ねぇ、妙子さん。昌子さんて貞子みたいな髪型して、顔がほとんど見えないでし…
女子A「ねぇ、妙子さん。昌子さんて貞子みたいな髪型して、顔がほとんど見えないでしょ。あれ、何でか知ってる?」
妙子「さぁ、分からないわ」
女子A「どうやら大きなほくろとイボがあるみたいなの。それを隠すためらしいのよ」
妙子「まさか、そんな」
女子B「さぁ、いつまでも喋っていないで、早くお掃除しましょう」
女子A「昌子さん、お水汲んできてちょうだい」
昌子「・・・」
女子A「早く汲んで来てよ!貴女の番なのよ!?」
妙子「いいわ、私が行くわ」
女子A「まぁ、妙子さん、何も貴女が行かなくてもいいのよ。昌子さんの番なんだから」
妙子「じゃあ一緒に行ってくるわ。それならいいでしょ?さぁ、昌子さん、行きましょう」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
下校時間
「さよならー」
「また明日ね」
昌子と妙子、並んで歩いている。
昌子「お前、さっき、掃除の時、何を喋っていたの」
妙子「何も喋っていないわ」
昌子「嘘付くんじゃないよ!私の事を喋っていただろう!」
妙子「そんな!喋ってないわ!」
昌子「まだしらをきる気!?私の悪口を言って笑ってたくせに!」
妙子「悪口なんて言ってないわ」
昌子「ふん、しらばっくれて。今に見てなさいよ」
昌子、妙子を置いて走り出す。
妙子「あ、昌子さん!」
昌子さんはどうしてあんなにひねくれているのかしら。きっと僻んでいるんだわ。
昌子さんはそれからも私に意地悪をしたけど、私は何とも思わなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
祖母「あら?昌子、妙子さんは?一緒じゃなかったの?」
昌子「知らないね。居残りでもさせられてるんじゃないの」
祖母「居残り?まさか。妙子さんがそんな事させられるわけがないよ。お前、まさか虐めたりしてないだろうね?」
昌子「虐め?そんな事するわけないじゃないさ。孫に非ぬ疑いをかけて、他人の心配をするなんて、最低だね。イ〜だっ!」
昌子、祖母に舌を出し、自室へ掛けて行く。
祖母「まぁ!なんて可愛気の無い子なんだろ。全くどうしようもない」
暫くして妙子、帰宅する。
妙子「お婆さん、ただいま。遅くなりました」
祖母「妙子。心配したよ。どうしたんだい?昌子に虐められでもしたのかい?」
妙子「いいえ。虐められてなどいません。ちょっと寄り道してたんです。気にしないでちょうだい」
祖母「そうかい?それならいいけどね。もうすぐ夕飯だからね」
妙子「はい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
コンコン。妙子、昌子の部屋のドアをノックする。
昌子「お入り」
妙子「昌子さん、私、どうしても納得できないのよ」
昌子「何が」
妙子「さっきの事よ。私が貴女の悪口を言っていたのではないかという疑い」
昌子「本当の事じゃないか。何をとぼけてるんだ」
妙子「私は本当に悪口など言っていないわ」
昌子「信じられないね。あたしのほうをチラチラ見ながらA子と話してたじゃないか!」
妙子「確かにA子さんと話していたわ。でも私は昌子さんの悪口なんて言っていないわ」
昌子「あたしは見たんだ。A子のヤツがあんたに耳打ちしてるのを。あたしのほうを見ながらニヤニヤして。あれは絶対にあたしの悪口を言っていたに違いない。何て言ってた!?」
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祖母「全く昌子ったら。何がそんなに面白くないんだろうね、あの子は」
妙子「きっと性格が悪いんですわ、おばあさま」
バッ!
昌子がドアを開け、出てくる。
祖母「昌子!な、なんだい!?」
昌子「お前、またあたしの悪口を言ったね」
妙子「言ってないわ!」
昌子「うそつくんじゃないよ!今言っただろう!あたしの性格が悪いって!このやろう」
妙子「キャー」
祖母「昌子!おやめ!」
昌子「うるさい!今度という今度は許さないよ!」
妙子「昌子さん!やめて!痛いわ!」
祖母「昌子!おやめったら!手を離すんだ!」
昌子「なんだいなんだい!二人してグルになって!あたし一人を悪者にして!」
祖母「それは違うよ。お前が嫌なことばかりするから、みんなに嫌われるんではないか!」
妙子「そうよ!昌子さん、貴女は言い加減にしたらいいんだわ!」
昌子「お黙り!ふんっ!今に見てなさいよ?絶対にこのままじゃ済まないからね」
そう言うと昌子は部屋に入っていった。
妙子「それは・・・」
昌子「何よ!?はっきり言いなよ!」
妙子「実はA子さん、昌子さんが大きなほくろと、イボを隠す為に、髪を長く伸ばして、顔を隠してるって」
昌子「A子のヤツがそんな事を!?」
妙子「ええ」
昌子「何でA子があたしの秘密を知っているんだ!やっぱりお前がバラしたんじゃないか!」
妙子「あたしはバラしたりなんかしていないわ」
昌子「嘘付くな!」
昌子、怒りを抑え切れず、妙子に掴みかかる。
妙子「キャー!やめて」
昌子、妙子の腕を掴み、壁に押し付ける。
妙子の悲鳴を聞き付けた祖母が部屋に駆けてくる。
祖母「どうしたんだい!今の悲鳴は何なの!?」
昌子「何でもないわよ!二人とも出て行って!早く!」
祖母と妙子を強引に部屋から追い出す昌子。
祖母「いたっ!昌子!全く乱暴な子だねぇ。何て事をするんだ。妙子、大丈夫かい?」
妙子「はい、何とか」
祖母「まぁ、怪我してるじゃないか。血が出てるよ」
妙子「大丈夫です」
祖母「ダメよ、手当をしないと。それにしてもあの子は何て子なんだろうね。こんな怪我をさせるほど激情するなんてさ」
妙子「精神が病んでるんじゃないでしょうか」
祖母「何だって!?」
その時、昌子がへから出てくる。
妙子「あっ」
昌子「お前、今何て言ったんだ。あたしの精神が病んでるですって!?」
妙子「いえ、それは・・・」
昌子「どういうつもりなんだ!」
祖母「昌子!おやめ!」
昌子「うるさいっ!」
昌子、妙子に掴みかかる。
妙子「キャーッ!」
祖母「昌子!おやめったら!何て事をするの!」
祖母が昌子を止めるも、昌子は妙子の腕を強く握り締め、離さない。
妙子「昌子さん!痛いわ!お願い!やめてちょうだい!」
祖母「昌子!やめなさい!」
昌子「おばあちゃんまで妙子を庇うなんて!どうしてみんなで寄ってたかってあたしばかりを悪者にするんだ!みんな嫌い!」
そう言うと昌子は自室に戻って行った。
妙子と祖母は疲れ切っていた。
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