「正社員で真面目に働くのはバカのすること。」 会社の飲み会で同じ職場で働く…

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匿名さん
22/12/30 10:14(最終更新日時)

「正社員で真面目に働くのはバカのすること。」

会社の飲み会で同じ職場で働く、同年代の派遣の人に言われた。
酒が入っていたこと。
冗談や皮肉、もしかしたら羨望混じりの言葉なのかもしれないけど、俺は少しカチンと来た。

こっちが派遣についてとやかく言ったなら、その反論として言うのは良いけど、そんな話しもなく唐突に正社員を「バカのすること」とは失礼極まりない。

俺は不愉快ながらもそれを言った人に、なぜそう言い切れるのか聞いた。
もしかしたら自分は考えた事もない新しい考え方があるのかもしれないと、少し興味もあったから。

聞いてみるとひどい理屈だった。
「正社員になると仕事のノルマがうるさくなる。気楽に仕事が出来なくなる。」
「どうせ今の世の中、正社員でも簡単にクビを切られる。ならば正社員だろうが派遣だろうが変わらない。」

何だろうな。
この人の仕事に対する取り組み姿勢は、「やらされている事が前提」なのだろう。

常に仕事はやらされるだけのもの。
クビを切られるのを覚悟して待つだけの人。

正社員とか派遣とか、そんなものは別の問題な人だと思った。
俺はこの人の話しを聞いても仕方ないと感じて、そっと他の席に移動した。

席を移って他の派遣の人とも話しをしたけど、まるで違う話しを聞く事が出来た。
「派遣会社を通じて自分はいろんな業種で働かせてもらっている。どの業種が自分に一番会っているか見定める為に。初めから正社員だったらそんな事は出来ない。派遣というシステムがあるから、正社員では得られない経験値を短期間で得る事が出来る。」

なるほど…。

そう思った。
確かに正社員が職を変えるのは大変な事だ。
派遣ならばそれが容易であり、本当に納得した業種で働く道を選ぶ事が出来る。

俺は今の会社を吟味して選んだ訳ではない。
なし崩し的に、「正社員在りき」で入れるところに入った感は否めない。
そういう観点で見ると、「バカのすること」とは言わないまでも、「賢くはない選択」とも考えられるかもしれない。

一度はカチンと来ていた感情も、派遣のシステムを上手く利用している人の考えを聞いて、一理在るとまで思えた。

しかし現実は残酷だった。

会社でコロナが蔓延してしまい、俺が関心を持った人は何日も欠勤する羽目になった。
有休を早々に使い切ってしまったその人は、数日間の欠勤の末に、うちの会社からクビを切られてしまった。

会社の規定で派遣の人は、欠勤が5日間続くと強制的にクビになってしまう。
それは人格に関係なく、あくまで統一したルールだから仕方ない。

うちの会社から離れてどこに行くのか聞いてみた。
築炉工場の作業員だそうだ。
相当に反抗したそうだが、今はそれしか仕事が無いとの事で、泣く泣く従うしかないそうだ。

分かり切っていた事だが、派遣のデメリットはそういう部分が特に大きい。
仕事を自由に選べるのは仕事がたくさんある状況だからこそで、そうじゃないなら絶対にやりたくない職種でもやらされる羽目になる。

正社員を「バカのすること」と言った人がその立場になったら、一体なんと言うのだろうか？
割り切っている人達ならば、そんなに気にしないものなのだろうか？

俺は派遣で働くほど度胸が無い。
元々派遣の自由を知らない俺は、その自由にも魅力を感じないのもある。

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