中古車販売店って、どんなに酷い車でも売っていいんですか？どんな欠陥があっても、保証の義務はない？

私自身、保証なし、総額26万円の中古車を買ったことがあります。

バックドア周辺に、修復歴があることは承知しておりました。

購入後にバックドアに接着してあるリヤガラスの一部が、剥離していることに気付きました。

私は低廉な価格の中古車だから仕方ないと思い、自費で修理を依頼するつもりで、近所の自動車ガラス店に電話を入れました。

「ガラスの接着の剥離というのは寡聞にして初耳です。まずは見せて下さい」

私は車をガラス店に持ち込みました。

ガラス店は車を見るなり

「ブチルだ！」

と驚いたというより半ば呆れていました。

自動車ガラスの接着には専用のウレタン接着剤を用いるものなのですが、ブチルゴムというのはガラスの接着には不適切な素材なのです。

「この車どこでお買い求めになったのですか？ これはクレームものですよ」

「いや、総額26万円の中古車だしノークレームですから私の自費で修理をお願いします」

「いや、これはそういう次元の話ではないですよ。そもそもガラスの接着剤にブチルゴムを使うなんてあり得ない話ですから。我々は長年この仕事に携わってきましたが、こんなのは初めて見ました」

この車は購入した中古車販売店が、業販オークションにて競り落としてきた車でした。

バックドアを板金塗装する際、通常は板金塗装は板金屋さんがやる傍ら、ガラスの脱着はガラス専門店に依頼します。

ところがこの車は、板金屋さんがガラス店にガラスの脱着を依頼する費用と手間を惜しんで、自分でブチルゴムを使ってガラスの脱着を行ったようなのです。

「中古車購入の際のチェックポイント」などというありがちなマニュアル本にも「ガラスの接着の剥離の有無を要チェック」などいう記述は読んだことがありません。

ガラス屋さんが呆れるぐらいですから、私も中古車販売店も見落としていたのです。

ただこの車は左側面にも擦り傷があったのを購入時に板金塗装してもらったり、まだ稼働していたオルタネーターを敢えてリビルト交換してもらうなどのサービスもしてもらっていました。

そうしたこともあり、私もあまり強くは言えなかったのですが、購入した中古車販売店と折半でガラス修理をしてもらいました。

そもそも極めてレアなトラブルなのですが、参考までに。