【サラリーマンAの呟き】
週末の夜…店内はサラリーマン連れでごった返していた
「らっしゃい!」店員が威勢良く声を掛ける
店内を見渡すと、カウンター席の奥にB男がいた
「A男!」
俺に気付いたB男が声を掛けてきた
「よぉ、待った?」
「いや、俺も今来たばっかだよ」
「そっか」
「久しぶりだな、元気でやってるか?」
「別に…普通さ…」
「生でいいか?」
「あぁ」
B男が生ビールと、焼き鳥を頼んでくれた
「悪りぃな、急に呼び出しちまって…。もう忙しくて参るよ、そっちは?」
「あぁ、俺も毎日毎日残業で、アパートには寝に帰るだけって感じだよ」
「そうか…お互い同じだな」
「で?今日は何?どうした?」
「あぁ、いや、実はよ、今度結婚する事になってさ…A男には言っとこうと思って…」
「うそ、マジか…!え、あの美容師がどうのこうのって言ってた子?」
「違えーよ、美容師の話すんな!」
「そっかー、結婚かぁ…。せがまれたのか?(笑)」
「そんなんじゃねーけど…まぁ、確かにそれもあるけどよ(笑)いつまでも独身でいらんねーべ」
「そっか…お前もとうとう腹くくったか…」
「俺らもう28だぜ?男ならいつか通らなきゃならない道だよ」
「まぁな…」
「それにしてもよ、お前とは中1の時からの付き合いだから、もう15年になるんだな…長えーよな」
「覚えてるか?中3の時、俺んちで泊まり込みでゲーム対戦、一晩中やったの(笑)」
「あぁ、覚えてるよ…あん時はゲームきちがいだったな(笑)サラリーマンにはなりたくねぇ、毎日通勤ラッシュにまみれて、くたびれた顔してよ…あんなんにはなりたくねぇって言いながらな…高校受験目前にしてよ(笑)」
「それが今や二人とも見事にくたびれたサラリーマンになっちまって…」
「まぁな…人生なんてそんなもんだろ(笑)」
「なぁB男、お前…まだやってるか?ゲーム…」
「いや、今はもう全然やってねぇよ、仕事で疲れて、帰ったらすぐ寝ちまうもん」
「そっか…」
B男と俺は二時間ほど語り明かした
「じゃあまたな」
「あぁ、招待状送るわ!じゃあな!」
そう言って俺はB男と別れた
帰りの電車中は、サラリーマンや酔っぱらいのおっさんで混雑していた
サラリーマンにはなりたくねぇと豪語していたあの頃の自分は、今の俺を見て笑ってるだろう
『何だ、結局はそのサラリーマンとやらになってんじゃねぇか(笑)』ってね…
そして近い将来、結婚して、子供が出来て、そこらにいる普通のおっちゃんになって…
結局、人生なんてそんなものかも知れない…
多くの凡人はそこに行き着くんだろう
何だかえらく疲れた…
今週は月曜から出張して、会議会議の連続で…目まぐるしかった
早く帰って寝よう
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