怖い女性に出会いました。 母と墓参りに行こうと電車に乗る為、上りエスカレー…

怖い女性に出会いました。

母と墓参りに行こうと電車に乗る為、上りエスカレーターに母を先に立たせ、片側に寄って乗りました。

ホームが見えてくると、片方の２番線に電車が到着していて、（私が乗る電車は１番線です。）、降りた乗客でごった返していました。

１番線に電車が来ましたが、下りエスカレーターに乗ろうする大勢の人が、上りエスカレーターの前まで膨らんで並んでいて、母を連れ、人を押しのけて進むのは危ないから、次に来る電車に乗ろうと思い、歩こうとすると、突然、背中に刺すような痛みがして押されました。

私は驚いて思わず立ち止まり、何があったのか振り向いて確認すると、髪にピンク色のシュシュをつけた二十代前半くらいのぽっちゃりした女性が後ろにいました。

目が合うと、その女性はバツが悪そうに慌てて横を向いて目をそらしました。

背中に残る感触から、多分、手の指を揃えて指先で突き刺すように押したのだと思いました。

その女性が私の背中を押したのは、「邪魔だ、電車に乗れなくなる」という意思表示みたいでした。

でも、到着したあの電車に乗りたかったなら、時間に間に合うように来ればいいし、もしくは上りエスカレーターには他に人が乗っていないから、片側をあけて縦一列に乗っている私達の横を歩けばいい。

私は構わず向き直り、歩くと、その女性は私達の横を通り、２番線の降車客の混雑を避けて大きく迂回して、１番線の先頭車両を目指して走っていく姿が見えました。

１番線の電車は乗り降りが少なく空いていたので、慌てなくても乗れそうだったので、人が歩いていない３両目の乗降口に歩きながら、あの女性と同じ車両じゃなくてよかったわ、と思いました。

何気なく、先頭車両の方を見ると、先ほどの女性がこちらに向かって、全速力で走って来ていました。

その時、分かったのですが、その女性は頭のてっぺんからつま先まで、ピンク色のコーディネートでした。

そんな可愛らしい服装の子が、先頭車両と２両目の乗降口を通り過ぎて、物凄い形相で迫って来ていて、先ほどのやり取りの八つ当たりでもされるのではないかと思って、怖くなりました。

降車客がいなくなったので、ホームと乗降口の段差に注意しながら母を支え、横並びになって乗ろうとすると、あの女性があとから来たにもかかわらず、順番を無視して、私と母の間を無理やり割って入って、電車に乗ろうとしたのです。

私は咄嗟に、母が突き飛ばされて、転んで怪我をしたら大変だと思い、墓参りの為に持っていた花束を間に差し込み、盾代わりにしました。

女性は割って入るのを一瞬躊躇したので、なんとか無事に乗れました。

私達は空いている座席に並んで座りました。

電車が動き出すと、咳払いが聞こえて来て、それがひっきりなし続くので周りを見ると、母の隣に座っている人は、あの全身ピンク服の女性でした。

その女性が絶えず咳払いをしていました。

こちらに向けて、当てつけでやっているみたいだったので、関わりたくないと思い、無視しました。

女性は三駅くらいの間、執拗に咳払いを続けて、その後、降車しました。

一体、何が気に入らなかったのか分かりません。

ただ、母が怪我をしなくて良かったと思いました。

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