ごめんなかーちゃん、出来の悪い息子でよ。 俺実はかーちゃんの知らない所で首吊っ…

ごめんなかーちゃん、出来の悪い息子でよ。
俺実はかーちゃんの知らない所で首吊ったりしてるんだよ。いつも失敗して、その度に嫌気がさした。色んな意味で情けないよ。本当に申し訳ないと思ってる。でもその申し訳ないって気持ちは、自殺を思う前からずっと抱いてたんだよ。
かーちゃんはこんな俺に優しくしてくれて、いっつも背中を押してくれた。何をやっても器用に出来ないダメな俺を決して見捨てなかった。ビビりで卑屈で落ちこぼれの俺を愛してくれた。だから俺も、かーちゃんの気持ちに答えたかった。姉貴みたいに頭良くないし、兄貴みたいに明るくないけど、俺は俺の取り柄を見つけてひたむきに頑張ってみたかった。
でもやっぱダメだったよ。大学も全然楽しくやれてない。そこでも人間関係台無しにしちゃった。もちろん原因は俺。そもそも、ほんの少しのトラブルで崩壊しちまうような友情しか築けないんだよ。俺誰も愛せないから。
ずっと人を愛したかった。かーちゃんも愛してあげたかったし、自分も愛してやりたかった。散々人から愛を貰ったのに、結局俺はその愛を受け止められなかった。誰かからの優しさがたまらなく痛くて、次第に怖くなった。小さい頃からずっと怖かった。人から愛をもらって、一体どんな顔をすればいいのか分からなくて苦しかった。俺の思いは今も昔も変わらない、人を愛してみたい。
ごめんなかーちゃん。自分の嫌な所を上げると日が暮れちまうよ、それくらい自分が嫌いだ。こんな情けない息子で本当にごめん。でもかーちゃんなら、俺が生きてくれるだけでいいって言うだろうな。きっと泣きながらそう言ってくれるだろうな。
産んでくれてありがとうかーちゃん。そんでもって、生まれてきて本当にごめんなさい。

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