私は前からこんな田舎じゃなくて東京でお洒落な生活をしてみたいと思っていて、絶対というわけではないけれど、東京で働けたらいいなぁと思っていました。 それ

15年前、東京へ行ってオシャレ道を目指した俺の物語。↓

東京へ着いた。
取り敢えず住むところ探さんと。
は？家賃1Kで9万？？？
俺の田舎じゃ1軒屋でそこそこの豪邸に住める額じゃん…。
新宿は諦めて代々木の長屋みたいなところに住む。(家賃５万)
もうこの時点でオシャレじゃない。

仕事は勿論オシャレなアパレル業！
え？こんだけ働いて月に15万…？
オシャレな服を1枚買ったら生活費カツカツなんだけど…。
オシャレに見える仕事は安月給ばっかり。
食いつなぐ為に工事現場で働く。
どこがオシャレなんだ…。

オシャレになりたくて服とか装飾品にお金をかける。
でもそうすると金が無くなるから、どこにも遊びに行けない。
格好ばっかりで東京の情報に疎い、ただの田舎者のまま。

長屋暮らし、３K職場で汗まみれで働く毎日、どこにも着て行く用事が無いオシャレは服はタンスの肥やし。

歳だけ取った。もう30。
オッサンじゃん。俺…。
オシャレな服着ても、違和感しかない。
そもそも未だに田舎者丸出しの俺が着ても、明らかに似合わない事に気付く。

女と合コンしても、オシャレを売りに出来ない自分に何の取り柄も無い。
オシャレな話題にも付いていけない。
バイト三昧で疲れ果てて寝る毎日の俺では、今の流行の話しや、面白い話しが出来ない。
何喋ったらええの？

「○○くんって大人しいね〜」
合コンで一番の屈辱の一言を言われる。
「○○くんって車は何乗ってるの？」
更に一番、あったわ。

15年経過。
オッサン度合いに磨きがかかる。
もう合コンとか言ってても恥ずかしい。
俺と同じ歳の、地道に働いてオシャレを手に入れた連中は違う。
服、時計、車…そして住居。
俺みたいに安物のチャラい物じゃなくて、皆んな本物を持ってる。
同じオッサンのはずなのに合コンが似合う連中だな。

オシャレを目指して上京して、一度もオシャレだった事が無かった俺…。

そうかぁ！
バカはオシャレになれないんだ！
分かったぞぉ！

よし…、田舎に帰ろう。
田舎で東京の武勇伝を語ろう。

あ、武勇伝…一つも無いや。

15年…ドブに捨ててしもうた…。


オッサンの独り言。