女の人生

―◆そういう視点で書かれた本はあまりないですね。キャリアアップや自分磨きの方向が多そうです。

西原）ワンランクいい女になるための本はいっぱいあるでしょ……。砂金掘りにシャベル売るみたいな。

私が言いたいのは、3ランク落ちない為、落ちてしまう前に、どうにかしましょうという事なんです。

上に行く人は、勝手に行くでしょ。

寝た男の頭を踏んづけて、上に登っていくお見事な女性、東京じゃよく見ましたよ。

都会には美人で教養があるのに、まだ上のキャリアを目指している業の深い女がいるんだけど、田舎だったら綺麗でちょっといい大学を出たら、後はなんの努力もしなくても良いとこの奥さんにおさまって、そのまま一生終わっちゃうんです。

でも自分が男だったらどっちもイヤでしょ、そんな女。

だから“同等”にならないとね。

―◆西原さんは、海外で貧しい子供たちの労働状況などの取材をされていますが、そういうことも考え方に影響していますか。

西原）貧しい子供たちに「将来、何になりたい？」とか「100万円あったらどうする？」なんてインタビューしたことがあったけど、その答えは「考えません」だった。

日本の子供だったらイキイキ答えるんだけれど、すごくバカな質問だったというのが少ししてから分かりました。

そんなことを考える可能性のある子供は、そこにいないんですよ。

彼らに取ってはありえないから考えないんです。

人間ってお金がないと考えなくなるんですよ。
これって貧困の知恵なんだね。

“想像力”というのは、ある程度豊かで、人として成り立ってるからこそあるものなんです。

でもそれは日本でも同じ。
私が子供の頃、見てきた人たちはみんな貧しかった。
貧しい現実を前にすると何も考えないんです。

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―◆逆に西原さんが考え続けてこられたエネルギーというのはどこから？

西原）どうしてでしょうね。
貧しかった故郷がイヤだったというだけで、それ以外はないですよ。

貧乏になるとどんな女の人も皆ため息をついて、お母さんが怒っている。

友達もいないし、おしゃれもない…。

―◆その原体験の凄さは最近の若い人たちには持てないものかもしれません。

西原）でも、今ちょうど時代が不景気で貧乏になっているから。

それでイヤな思いをして、子に伝えていけばいいんじゃないですか。

私は昭和の子供だから。

昭和の人たちって、みんな大学さえ出ていれば一生良いお給料で、クビにならないと言っていたけど、その人たちの子供ならしょうがないよね、危機管理できないもん。

もしも私が社長さんだったら、そんな無能、雇いたくねぇよって思う。

大学出ただけの使えないバカばっかりじゃ。
社長さんも頭イタイよね。

私が社長さんだったら、良いギャラを提示して中途採用しますね。

今まで何処でどういうことをしてきたのか、ちゃんとした実績を持っている人。

でも、そういうデキる人は、逆に「会社を面接しに」来るから。
良いギャラを提示しても、もっと良い会社にとられちゃうんだよね。

―◆そのぐらい、自分を含めてきちんと判断してやっていかなければならない……と。

西原）今、本当にしんどい思いをしてしまえば危機管理が身につくんじゃないですか。

だって、貧困は自分で体験しないと言葉では教えられても分からないから。

暑い国の人に寒いという言葉を教えられないのと同じ。
自分で体験するしかないんです。

―◆それでは生き抜く知恵を身につけるためには、今が良い勉強の時期だということでしょうか。

西原）そうですね。
だってこのご時世に業績を上げている人、稼いでいる人、いっぱいいるじゃないですか。

それに男の子は「働かない」という選択肢がないもん。

どうしても働きたくなければ海外に行くんじゃない。

10万稼いで東南アジアに行って日本に帰ってこないとかね。

それにお金があると人って死ねないものです。

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主さんだいぶお疲れのようですね。


西原理恵子さんですか？


彼女らしい意見ですね。


一人部屋ならスミマセン

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