いじめられキャラの息子

私は丁度息子さんと同じタイプで、いじめられやすく、よくからかわれたり標的にされていました。

母親として我が子がいじめられキャラで軽くあしらわれる姿が辛い、あるいは歯がゆいというのはよく分かります。

気になるのは、息子さんのキャラを治そうという動機が、本当に息子の為を思ってなのか、それとも自分が辛い思いをしたくないからなのかをよく考えて欲しいと思います。

私のやられている姿に母は我慢ならなかったのか、「何でやり返さなかったんだ！何でやられっぱなしだったんだ！」と激怒し、よくお仕置きをされました。

私からすれば本当に屈辱的で理不尽で辛いものでしたが、今思えば、愛情が故に、自分の息子がやられている辛さをこういう形でしか表せなかった幼稚な母親だったんですね。

勿論、主さんはこんな愚かな事はしていないでしょうが、人間というのは生まれ持った性分というのがあると思うんですよね。

大人しくお人好しな人間に言い返してやり返せと言っても無理があるし、逆に気の強い負けず嫌いな者に大人しく引き下がれと言っても無理があるように、本人の意思ではどうにもならない気質というのがあるのではないかと思います。

自分の心が穏やかでいられるように、相手の性分を矯正しようというのはちょっと違うのではないでしょうか？

これは私の経験ですが、いじめてくる人間というのは何らかのコンプレックスや不服を抱えていて、その憂さ晴らしでいじめをする場合がほとんどなんですよ。

特に男子のいじめは、男の子って強きヒーローや逞しいものに憧れがあって、自分もそうなりたいという願望があるんです。

しかし、実際にはそれに成りきれない女々しく弱い自分がいる訳ですね。

そのコンプレックスが、ひ弱そうな男の子や、大人しく消極的な男の子に重なるんですよ。

だから彼等はいじめてくるんですね。

それ以外には日頃から何らかの不服…、例えば親が不仲でいつも夫婦喧嘩をしているとか、家庭環境が悪いなど、全くこちら(いじめられる側)には関係のない要因なんですね。

つまり、もし治さなければならないと言うのならば、それは息子さんではなくて、いじめてくる側の心の闇なんですよ。

ですからこの場合、いじめられないように改善するというのは、息子さんの立場からすると実に納得の行かない理不尽な事だと思いますよ。

それよりも、学校や友達との事、いじめの事には触れないで、そっとしといた方がいいと思うのですがね…

そして別の形(息子さんの好物を作ってあげるとか、普通通りに明るく優しく接してあげる等)で、息子さんをフォローし、温かく見守ってあげる事が一番の思いやりじゃないかと思います。

特に男の子は学校や友達との間で起こった自分の不様な姿を母親には知られたくないもので、母親の立場としては息子が1人で抱え込んでると思うと辛いかも知れませんが、どれだけ口出ししたり手助けしても、子の人生を親が身代わりに生きる事は出来ませんし、中学生の子供と言えども本人が乗り越えて生きて行くしかないと思うんですよね。

口を出してあれこれ言う方が楽で、見守るというのは本当に辛く苦しい事なんですが、ここは親も度量と器が必要とするかも知れません。